藤原歌劇団「カルメル会修道女の対話」

イメージ 1

藤原歌劇団公演 『カルメル会修道女の対話
全3幕(字幕付フランス語上演:新制作)

2010年 2月6日(土)15時開演 会場:東京文化会館

作曲 : フランシス・プーランク
指揮 : アラン・ギンガル
演出 : 松本重孝

出演:
ド・ラ・フォルス侯爵 折江忠道
ブランシュ・ド・ラ・フォルス 出口正子
騎士フォルス 中鉢聡
マダム・ド・クロワシー 森山京
マダム・ド・リドワンヌ 佐藤ひさら
マザー・マリー 鳥木弥生
コンスタンス 佐藤美枝子
ジャンヌ 河野めぐみ
マティルド 向野由美子
司祭 小宮一浩
第1の人民委員 松浦健
第2の人民委員 豊島雄一
ジャヴリノ(医師) 柿沼伸美
役人 羽渕浩樹 -
ティエリー/看守 坂本伸司
マザー・ジェラール 家田紀子
クレール修道女 吉田恵
アントワーヌ修道女 立川かずさ
カトリーヌ修道女 清水理恵
フェリシティ修道女 村瀬美和
ジェルトリュード修道女 安達さおり
アリース修道女 宮本彩音
ヴァランティーヌ修道女 渡辺ローザ
アン修道女 吉田郁恵
マルタ修道女 山崎知子
シャルレ修道女 但馬由香

合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団


戦後フランスが生んだ最高峰といわれるプーランクのオペラを藤原歌劇団が総力を挙げて上演!

18世紀フランス革命の史実を背景に、信仰と心の葛藤、苦悩する人間の普遍的な姿を描き出したフランス近代オペラの傑作。フランス・オペラで定評のあるアラン・ギンガルの指揮、この作品に思い入れの深い松本重孝の演出による新制作で上演します。(公演HPより)

プーランクは好き、カルメル会はその好きになり始めころに松本で聴いたのが初めてで、私にしては珍しく予習したってほど内容に不安(オペラにしてはまともな。。)を覚えた話でしたが、非常に好きな作品です。昨年、新国立の研修生公演でもやったので、行きたかったがそっちは予定でいけなかったので、今回が2回目。
舞台は松本のよりなんてか具象的な印象ですが、やはり内容も音楽も感情に来る内容なので、最後はやはりぼろぼろ泣けてしまう。前回より内容の理解は深まってて、席が今回かなり前の方で細かく見えるので、どうかなと思ったのですが。
先の院長の亡くなるシーンは今回あまり怖くなかった、今回はマリー修道女の印象がかなり強くなったのと、なんといってもコンスタンスでしょうか。彼女の明るさと天真爛漫さ、良く通る明るい声ですごく響いてきました。対するブランシュがうじうじなだけに。コンスタンスは不謹慎ぽいこともいってしまうので軽くも見えるけれど、神の存在や意思を自然に感じているという、日本人である私たちにはかなり遠い存在な気がします。そんな感情移入はできなそうなコンスタンスですが、歌詞が一番入ってきてこころに響きました。声がきらきらしてて、でも殉教してしまうのがとても残酷に感じるというのも・・・

プーランクの曲もやはりとてもきれいで、重い話ながらおしゃれで軽妙な音でもあるところが、このオペラを聴きやすくしてる気もします。とはいえ悲しい話ですが。
全般的には、いい舞台だったと思います。