さいごのフルネさん・・・

都響 定期演奏会第618回Bシリーズ
2005年 12月20日(火) 19時 サントリーホール

指揮/ジャン・フルネ
ピアノ/伊藤恵

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op.9
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
ブラームス交響曲第2番 ニ長調 op.73

最後の大家、の一人だと思うのですが、ついに日本でのラスト・コンサートになってしまいました。
都響は、芸術劇場の作曲家シリーズだけ定期で取っているのだけれど、
フランク、ショーソンなど、普段(私は)余り聴かないような作曲家の作品の魅力を、
教えてもらいました。
2年くらい前だかの4月に、すごい仕事に疲れてて休日起きたらもう昼も過ぎてて、
行くのを諦めたサン・サーンスのオルガン付がすごくよかったと聞き、
遅刻(前半・・)でもいけばよかった、とものすごく後悔したけど、
もう二度と聴けないんだなあ・・・今でも後悔・・・

さて今日のコンサート。
一曲目は以前N響アワーのタイトルバックに使われていたメジャー曲。
なんだかかなりゆっくりめではあるけど、間延びしているという感じではなく、
今日のひと時を惜しみながら、じっくり演奏しているという印象。
すごく久しぶりに、かなり前方の席を取ったせいなのか、
それぞれの楽器の音が、綺麗にくっきりと聴こえてくるのに、
なんだかびっくりしたり。
二曲目、わたしはやはりモーツァルトだめだからなんだと思うけど、
すみません、フルネさんでもそんなに盛り上がらず・・・ピアノも綺麗だったと思うのですが・・・
モーツァルトなんだもん・・・
しかも、1楽章終わったあとの楽章間に感じの悪い小?事件。途中退場するらしい男性が、ものすごい大きな靴音を立てて歩いていったのです、延々延々、席からドアまで、なんと長く感じたことか。カツーンカツーン、とむしろゆっくりめに歩いていたのではというくらい。皆2Fの左サイドのその男の後姿を見ていたと思う。何が嫌だったのか知らないけど、一人のせいで皆不快に。このせいも多分にあったと思う、二曲目が十分楽しめなかった理由。
休憩挟んで三曲目、ブラームズの2番。前半でこれも遅めなのかな?とおもってたけど、これはそうでもなく、普通くらい?
席が前すぎなので、管とか全然姿が見えなくて、チェロばかりすごく良く見えるのだが、
管が音が聞こえないということはないけど、チェロがいつになくとても響いてきて、
それはそれで、ゆったりとした感じが強調されるようで、いい感じだった。
完璧な演奏、ではなく、一部やはり金管がヨレたりとかという部分があったりしたものの、
そこがフルネさんということなのか、暖かく、包み込むような演奏で、
終わったあとには豊かな充実感が残る、いい演奏会でした。
終演後は、ずっと拍手が続いていました、
観客の惜しむ気持ちと、今までの感謝の気持ち、だったと思います。