ウィーン・フィル来日50周年

サントリーホール20周年記念フェスティバル公演
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2006
第一生命105周年記念(←前置きここまで・・・長いなあ)
ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2006年11月3日(金・祝)15:00開演 サントリーホール

モーツァルト:アヴェ ヴェルム コルプス
(合唱・バッハ・コレギウム・ジャパン
ブルックナー交響曲第5番 変ロ長調

1曲目のモーツァルトはプログラム外。オケの人が揃っていくなか、木管メンバーが後ろの方に楽器もって立ってるし、チェンバロ?みたいなのが舞台後方に鎮座してるし、指揮者位置横に椅子あるし、???と思ってたらアーノンクールが出てきてなぜか椅子に着席。あれ?と思ってたら、楽団長と通訳の人が出てきて、楽団長のおはなしのあと、故佐治敬三氏七回忌命日(まさに今日だったらしい)なのでということでの献奏だったらしい。この曲の間は木管席には合唱の人たちが入った。
お話では他に、初来日から50周年だしサントリーホールウィーンフィルの日本でのホームグラウンドといってた)できてから20周年だし、モーツァルト生誕250周年、シューマン没後150周年、ショスタコーヴィチ生誕100年、とかも言ってましたが、ドイツ語なんで数字と固有名詞しかわからずもの悲しす。
ウィーン・フィルはサントリーとの契約が今年で一旦切れるらしいけど、確かに一番つながりが濃い気はする。長い付き合いで。サントリーは会員なんだけど、会員イベントにウィーン・フィル絡み多いしなあ。そして昔、カラヤンの追悼の会がサントリーであったとき演奏したのも、来日中のウィーン・フィルだった。(今調べたら《フリーメーソンのための葬送音楽》でした)そのとき、佐治さんと盛田昭夫さんが挨拶をしたのだが、これが対照的で、冷静に淡々と喋る盛田さんに対し、もうでろでろに泣きまくる佐治さん。でももうあのおじいさんも亡くなって7年もたったのか、なんて思うと知り合いでもないのにちょっとホロリとさせられるものが・・・この記憶のせいか、前日駆けつけでアーノンクールが練習つけたというアンサンブルが良かったのかわかんないけど、じんとしました。

さて、メインのブルックナー。今回の来日プログラムのなかではびみょーなんじゃないのかと思いつつも、ブルオタもどきなので迷い無く選んだこれ。(休日だったのも大きいいが)古楽っぽいイメージでみてたアーノンクールは意外?にも実は積極的にブルックナーに取り組んでるひとだったらしい。失礼しました。(パンフにアーノンクールによるブル5解説?まであったよ)
とはいえ。アーノンクールはたしか初で、しかもこんな近い(Rの最前列だった)と迫力ですね。なんかでっかい、顔が怖い。場所的に、自分も指揮されてるような気に・・・アクションも予想以上に大きいし、時々歌ってる?ぽいし・・・見てておもしろかったです。
演奏は、体感では、背筋にぞっとはこなかったけど、始終胸がドキドキした。特に最終楽章はドックンドックンしちゃってたので、のりとしては合ってるタイプの演奏だったんではないかと。気持ちとしては、3楽章までは結構いいね、って感じで、4楽章が、わあああ、すごくいいよううう、っていう・・・席の関係で多分バランスはあまりよく聴こえてなくて、金管が強めではあったんだけど、そのうえに爆裂だった4楽章があんなにいいとはふしぎなものです。今回の演奏は、ちょっと途中で木管へたれてた箇所あったけど、ルツェルン金管ほど引きずって気にはならず、むしろ木管全体としてはいつもより印象的に綺麗で、木管いいじゃん・・・と感じ入っていました。
ウィーン・フィルは弦がいつもまるいというか、流麗でひっかかるところのない印象で、そういうウマさなんだろうなあと思ってるんだけど、この日の弦は結構がしがししてて、尖っていた。それは雑とか下手とかそういう意味ではないが、いつもと違う感じに聴こえたのは確か。テンポも速めだったし、そういう指揮だったから?
まあ、とにかく、4楽章。ほんとによかった、全方向に大解放!満足です。
終わったあと、静寂が続いて、ぼそっとしたブラーヴォの声に破られるまでは、いい余韻だったし。
いや、いいコンサートでした。ありがとうアーノンクール、好きになりました。動きは面白いけど、まちがいなくしっかりとしたブルックナーを聴かせてもらいました。