英国王のスピーチ

いまさらですが、「英国王のスピーチ」観て来ました。
映画は高校時代から一人で平気なんでさくさくいくんですけど、これ、へたに2人(別々)と行こうって言ってたせいで、逆に予定が立たず今に至ってました。もともとはマイナー単館系と思っていたので、終わっちゃうのはやいかもとあせってたのがアカデミー賞で盛り上がっちゃって余裕になったのもまずかった。危ない。
見逃さなくてよかった、いい映画でした。
 
めちゃファンとはいわないがコリン・ファースはアナ・カン以来(あの映画の時には周囲で一番人気だった)なんだかよく観てるし、ヘレナ・ボナム=カーターはなんか変わっちゃったけどもともと好きなのでかなり観ている。その組み合わせなので、内容はともかく行くつもりでした。
子どものころよりTVや雑誌でよく取り上げられた王冠を賭けた恋、その裏でこんな苦しい目にあっていた人がいたとは露知らず。(エドワード&シンプソン夫人の話も大人になるにつれてそんなロマンチックな綺麗話だけじゃないのもわかってはきてましたが>この映画だとかなり悪?役)
 
映画が主人公視点の辛い失敗スピーチ(あの状況では吃音がなくても厳しい・・・自分の声が遅れて四方に広がるのききながらなんてどんな拷問・・・)の前から始まるので、すっかりその視点に入ってみてて、ほんと辛く苦しすぎる展開。お父さんはただただ怖い上にシリング硬貨にも刻まれてるしで、逃避すら出来ない。奥さんはいい人だし子どもにも慕われてて普通なら問題なさそうなのに、クビにもしてもらえないこの職務には決定的に向いてない絶望感。みてるこっちまでちゃんとしゃべれない気になってくる。
でもそれが解消されてくるのは、ほんとにほっとします。
ががが、兄の勝手(にしかみえない)で国王になることを余儀なくされたときの悲痛な感じは、もうほんとに突き落とされました。素人俳優?らしい先生がオーディションで演じて落とされてたリチャード3世が、兄弟や甥やら殺してまで王位を望んだのに対して、ここまで嫌がっているのに押し付けられる悲しさ。でも、軽い兄ではそのままでも、ヒトラー台頭への危険さの認識も対抗する気持ちもなさそうで、ウォリス事件がなくても結局譲位がよかったのかもしれない。それは判ってて、いろいろなやみはあるのに、そこがすべて、スピーチが出来ないってことに集約されている。大きいんだか小さいんだか、でも、大きいんだろうな。
演説の名手といわれたチャーチルももともと発声に障害があってというのはきいたことがあるが、さりげに最後のほうで出ていました。
まあいろいろありましたが、戦時演説の成功は、ストーリー的に知ってはいるわけですがほっとして、じんとしました。ほんとよかった。
 
本筋?以外では、
・犬はやはリコーギーなんだ!とうきうき(出るたび)してしまった、しかしあそこまでいていいんだ・・・!!
・上流の英語ってこんなんなんだなーと発音を地道にききました。
・英国俳優のスーツ姿はかっこいい、そしてコート姿はすごくかっこいい。
・なぜアメリカ国民作曲家フォスターばかりすきなのだろう、英国王族なのに
・クライマックスがべト7なのはなぜ・・・・
・映画館の予告に興味の沸く映画がいくつかあった、ふだんと違う映画館なので新鮮でした
 
原題:The King's Speech
製作国:2010年イギリス・オーストラリア合作映画
上映時間:118分
スタッフ:
監督・脚本:トム・フーパー
脚本:デビッド・サイドラー
製作:イアン・キャニング、エミール・シャーマン
撮影:ダニー・コーエン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
キャスト:
ジョージ6世 - コリン・ファース
エリザベス妃 - ヘレナ・ボナム=カーター
ライオネル・ローグ - ジェフリー・ラッシュ
エドワード8世 - ガイ・ピアース
ジョージ5世 - マイケル・ガンボン
メアリー王妃 - クレア・ブルーム
ウィンストン・チャーチル - ティモシー・スポール
マートル・ローグ - ジェニファー・イーリー
コスモ・ラング大主教 - デレク・ジャコビ
スタンリー・ボールドウィン - アンソニー・アンドリュース
ネヴィル・チェンバレン - ロジャー・パロット
ウォリス・シンプソン - イヴ・ベスト