新国立劇場「死の都」

2013/2014 シーズン・オペラ<新制作>
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
死の都
2014年3月15日(土)2:00-
全3幕 ドイツ語上演 字幕付き
予定上演時間 3時間20分
(1幕50分 休憩25分 2幕50分 休憩25分 3幕50分)
演出:カスパー・ホルテン
指揮:ヤロスラフ・キズリンク
原作:ジョルジュ・ローデンバック Original by Georges Rodenbach
台本:パウル・ショット (ユリウス・コルンゴルト/エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
Libretto by Paul Schott (Julius Korngold, Erich Wolfang Korngold)
作曲:エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト Music by Erich Wolfgang Korngold
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美術:エス・デヴリン
Scenery Design:Es Devlin
衣裳:カトリーナ・リンゼイ
Costume Design:Katrina Lindsay
照明:ヴォルフガング・ゲッベル
Lighting Design:Wolfgang Göbbel
再演演出:アンナ・ケロ
Revival Director:Anna Kelo
舞台監督:斉藤美穂
Stage Manager:Saito Miho
合唱指揮:三澤洋史
Chorus Master:Misawa Hirofumi
芸術監督:尾高忠明
Artistic Director:Otaka Tadaaki
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本公演はフィンランド国立歌劇場(ヘルシンキ)からのプロダクション・レンタルでの上演となります。
This production of Die tote Stadt is rented from the Finnish National Opera.
Cast キャスト

Paul Torsten Kerl
 
パウル トルステン・ケール
世界最高のヘルデン・テノールにしてパウル歌い
ドイツ生まれ。世界的なヘルデン・テノール。これまでにウィーン国立歌劇場メトロポリタン歌劇場ミラノ・スカラ座、ベルリン・ドイツ・オペラ、英国ロイヤルオペラ、ザクセン州立歌劇場、バイロイト音楽祭ザルツブルク音楽祭などで活躍。13年はパリ・オペラ座ニーベルングの指環ジークフリートバイロイト音楽祭タンホイザー」タイトルロール、メトロポリタン歌劇場影のない女」皇帝などに出演。パウル役は最も得意とする役のひとつで、近年の欧米における「死の都」上演ラッシュの立役者である。新国立劇場は10年「カルメン」ドン・ホセに続き2度目の出演。
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Marietta/Voice of Marie Meagan Miller
 
マリエッタ/マリーの声 ミーガン・ミラー
目覚ましい活躍を見せるアメリカ出身の若手ソプラノ
アメリカ・デラウエア州生まれ。09年にウィーン・フォルクスオーパー「ナクソス島のアリアドネ」タイトルロールでヨーロッパ・デビュー。以来、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、エジンバラ音楽祭などに出演。「ダフネ」「ダナエの愛」タイトルロール、「ばらの騎士」元帥夫人、「ドン・カルロ」エリザベッタ、「オテロ」デズデーモナなどをレパートリーに持つ。13年11月、「影のない女」皇后でメトロポリタン歌劇場にデビュー。新国立劇場には13年「タンホイザー」エリーザベトで初登場、好評を博した。
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Frank/Fritz Anton Keremidtchiev
 
フランク/フリッツ アントン・ケレミチェフ
ヨーロッパで幅広く活躍する実力派バリトン
ブルガリア出身。トリエステヴェルディ歌劇場でオペラ・デビュー後、パレルモのマッシモ歌劇場、ペーザロのロッシーニ・フェスティバルなどに出演。98~03年ダルムシュッタット州立歌劇場との専属契約を経て、03年よりフリーの歌手として活躍。これまでに、フィンランド国立歌劇場「カルメンエスカミーリョ、ハンブルク州立歌劇場「椿姫」ジェルモン、フランクフルト・オペラ「トリスタンとイゾルデ」クルヴェナール及び「ローエングリン」テルラムント、ベルリン・ドイツ・オペラ「マクベス」タイトルロールなどに出演している。新国立劇場初登場。
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Brigitta Yamashita Makiko
 
ブリギッタ 山下牧子
華やかで表現力豊かなメッゾソプラノ
広島大学教育学部卒業、東京藝術大学大学院声楽科修了。第1回東京音楽コンクール第1位。これまでに「ジュリアス・シーザー」タイトルロール、「コジ・ファン・トゥッテ」ドラベッラ、「フィガロの結婚」ケルビーノ、「カルメン」タイトルロールなどを演じている。新国立劇場では、「カヴァレリア・ルスティカーナ」「サロメ」「軍人たち」「リゴレット」「蝶々夫人」「ワルキューレ」「カルメン」「沈黙」など数多く出演。13/14シーズンは「リゴレット」「ホフマン物語」「ヴォツェック」「鹿鳴館」にも出演予定。二期会会員。
 
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ユリエッテ 平井香織平井香織Juliette:Hirai Kaoriリュシエンヌ 小野美咲小野美咲Lucienne:Ono Misakiガストン/ヴィクトリン 小原啓楼小原啓楼Gaston/Victorin:Ohara Keirohアルバート伯爵 糸賀修平糸賀修平Graf Albert:Itoga Shuhei. 合唱:新国立劇場合唱団Chorus:New National Theatre Chorus
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団Children Chorus:Setagaya Junior Chorus
管弦楽:東京交響楽団Orchestra:Tokyo Symphony Orchestra
 
◎ やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
公演中止の場合を除き、チケットの変更及び払い戻しはいたしません。
◎ 当初フランク/フリッツ役で出演を予定しておりましたトーマス・ヨハネス・マイヤーは本人の芸術上の理由により、また、リュシエンヌ役で出演を予定しておりました小野和歌子は出産準備のため出演できなくなりました。代わってフランク/フリッツ役はアントン・ケレミチェフが、リュシエンヌ役は小野美咲が出演いたします。
    
 
Introduction 見どころ
 
世紀末の退廃薫る後期ロマン派の傑作、待望の上演!
ベルギーの古都ブルージュを舞台に、愛妻を亡くした主人公パウルが妻と瓜二つの女性と出会い、倒錯のひと時を過ごす物語を幻想的に描いた「死の都」。かねてから上演を望む声が多かった傑作オペラがついに新国立劇場に登場します。コルンゴルトは20世紀初頭、ウィーンの神童として人気を博した作曲家で、1920年23歳の時に発表した「死の都」は大成功を収め、ヨーロッパ中のオペラハウスでレパートリーとなります。しかしながら、ユダヤ系であったコルンゴルトナチスの迫害を逃れその後アメリカに亡命、映画音楽の分野で名声を築き、クラシック音楽からしばらく忘れられた存在となります。現在ではコルンゴルトの再評価が進み、特に代表作である「死の都」は、世界中でこぞって上演されるようになりました。コルンゴルトの音楽は、R.シュトラウスマーラーを思わせる後期ロマン派の作風で、甘美な旋律と豊潤な管弦楽が魅力。オペラファン必見の公演です。
 
フィンランド国立歌劇場公演より ©Stefan Bremer写真:フィンランド国立歌劇場公演より
©Stefan Bremer  .

世界的なヘルデン・テノール、ケールをはじめ最強の布陣!
本公演の演出は、気鋭の演出家として世界的に注目されているホルテン。フィンランド国立歌劇場で好評を博した美しく幻想的なプロダクションにより上演いたします。指揮は12年「ルサルカ」の名演奏が記憶に新しいキズリンクです。難役揃いのキャストには、理想的な歌手陣を迎えました。パウル役のケールは世界でも指折りのヘルデン・テノールで、なかでもこのパウル役は自家薬籠中のもの。マリエッタ/マリー役は13年「タンホイザー」エリーザベトで、その豊かな美声を披露したミラー、フランク/フリッツ役は、ヨーロッパで幅広く活躍する実力派バリトンのケレミチェフです。「死の都」新国立劇場初上演に相応しい強力な布陣にどうぞご期待ください!
 
トルステン・ケールトルステン・ケールTorsten Kerl . 
 
作曲家コルンゴルトってどんな人?
1897年、オーストリア=ハンガリー帝国領のブリュン(現チェコのブルノ)に生まれ、後にウィーンに移り住む。幼少期より神童ぶりを発揮し人気作曲家として活躍、1920年に初演された「死の都」でヨーロッパにおけるコルンゴルトの名声は決定的となる。1930年代よりハリウッドで映画音楽に携わり、アカデミー賞を2度受賞。1938年ナチスの迫害を逃れアメリカに亡命。第二次世界大戦後ウィーンに戻るが、クラシック音楽の分野で再び成功することはなくアメリカに帰国。1957年、失意のままハリウッドで60年の生涯を閉じる。1970年代よりコルンゴルトの再評価が進んでいる。

Story ストーリー
登場人物紹介
パウルテノール)・・・・・・・・・・・愛妻を亡くした男。彼女の遺品に囲まれた部屋で暮らしている
マリエッタ(ソプラノ)・・・・・・・・・リールから来た踊り子。マリーと瓜二つ
マリー(ソプラノ)・・・・・・・・・・・パウルの亡き妻
フランク(バリトン)・・・・・・・・・・パウルの友人
ブリギッタ(メッゾソプラノ)・・・・・・パウルの召使い
フリッツ(バリトン)・・・・・・・・・・ピエロ
ユリエッテ(ソプラノ)・・・・・・・・・踊り子
リュシエンヌ(メッゾソプラノ)・・・・・踊り子
ガストン(テノール/黙役)・・・・・・・ダンサー
ヴィクトリン(テノール)・・・・・・・・演出家
アルバート伯爵(テノール)・・・・・・・マリエッタの一座のパトロン
 
マリエッタの一座
 
最愛の妻を亡くした男の再生の物語

第1幕
19世紀末のブルージュ。愛する亡き妻マリーを忘れられないパウルは、妻の遺品に囲まれた「思い出の部屋」に引きこもり、悲しみの中に生きている。パウルは自分を訪ねてきた友人フランクに、街でマリーに瓜二つの女性に出会い、家に招待したと話す。フランクと入れ替わりにその女性が訪ねてくる。彼女はマリエッタという名で、リールから来た踊り子だった。彼女の魅惑的な歌や踊りにパウルは魅了される。マリエッタはマイヤーベーアのオペラ「悪魔のロベール」のリハーサルのために家を出て行き、ひとり残ったパウルはマリーへの愛とマリエッタへの欲望の間で苦悩する中、マリーの亡霊を見る。パウルはマリーに忠誠を誓うが、今度はマリエッタの幻を見るのだった。
 最愛の妻を亡くした男の再生の物語 .
第2幕
幻想の中で、パウルはマリエッタを追い彼女の家の前をさまよっている。そこでパウルはフランクと出くわす。フランクもマリエッタの魅力の虜になっていたのだ。マリエッタの一座が現れ、物陰に潜んだパウルの前で陽気に騒ぐ。興に乗ったマリエッタは、「悪魔のロベール」の尼僧が生き返り男たちを誘惑する場面を演じるが、死者の復活を馬鹿にされたと感じたパウルは怒り、飛び出していく。マリエッタと二人きりになったパウルは、マリエッタの中に亡くなった妻の面影を見てその面影を愛した、君を愛してはいないと伝える。マリエッタは悔しさのあまりパウルを誘惑し、彼はその魅力に屈してしまう。
 最愛の妻を亡くした男の再生の物語 .
第3幕
翌朝、パウルの部屋。パウルとマリエッタは窓から聖人の祝日の行列を見物するが、マリエッタはパウルの敬虔な信仰心を茶化し、妻の遺品に囲まれた生活を嘲笑する。怒ったパウルは、マリーの遺髪を首に巻いて踊るマリエッタを絞め殺してしまう。暗闇が立ちこめ、そして徐々に明るくなっていき、パウルは夢から目を覚ます。マリエッタが忘れ物の傘とバラの花をとりに立ち寄り、続いて友人フランクが訪れる。全ては幻想だったのだ。パウルは、死者への想いと決別し、友人と共に死の都ブルージュを立ち去ることを決意する。
 
 
 
 

一昨日(15日)新国立劇場オペラ劇場で公演されている『死の都』(ドイツ語上演/日本語字幕付)を観てきた。音楽はエーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト。演出はカスパー・ホルテン。指揮はヤロスラフ・キズリンク。管弦楽は東京交響楽団。主な出演者は下記の通り。
パウル:トルステン・ケール
 マリエッタ/マリーの声:ミーガン・ミラー
 マリー(黙役):エマ・ハワード
 フランク/フリッツ:アントン・ケレミチェフ
 ブリギッタ:山下牧子
ユリエッテ:平井香織
リュシエンヌ:小野美咲
ガストン(声)/ヴィクトリン:小原啓楼
アルバート伯爵:糸賀修平
ガストン(ダンサー):白鬚真二
 合唱:新国立劇場合唱団
 児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
 《14時00分開演、17時30分終演》3幕上演(休憩2回)