久々に歌舞伎

11月5日(土)
吉例顔見世大歌舞伎 夜の部(午後4時30分開演)

一、 嬢景清八嶋日記 日向嶋景清(ひにむかうしまのかげきよ)
  悪七兵衛景清 吉右衛門
  肝煎佐治太夫 歌 昇
  里人実は 土屋郡内 染五郎
  里人実は 天野四郎 信二郎
  娘糸滝 芝 雀

二、 鞍馬山誉鷹(くらまやまほまれのわかたか)
中村大改め初代中村鷹之資披露狂言
  牛若丸 大改め鷹之資
  鷹匠 富十郎
  平忠度 仁左衛門
  喜三太 梅 玉
  蓮忍阿闍梨 吉右衛門
  常盤御前  雀右衛門

三、 連獅子(れんじし)
  狂言師右近後に親獅子の精 幸四郎
  狂言師左近後に仔獅子の精 染五郎
  法華の僧蓮念 玉太郎
  浄土の僧遍念 信二郎

四、 おさん 茂兵衛 大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)
  茂兵衛 梅 玉
  おさん 時 蔵
  女中お玉 梅 枝
  母お久 歌 江
  番頭助右衛門 歌 六
  大経師以春 段四郎

歌舞伎久しぶり、半年振りくらいか?
チケット取りにくくなってるんだよな・・・
というか、頼めば取れるコネが出来たのだけど、そうすると逆に電話でとるより
いろいろあるというか・・・
今回はタダチケットを貰いました。多分中村鷹之資くんの襲名披露絡み?かなんかで
モトは会社からなのかな。割といい席でラッキー。

歌舞伎座って、高低差が無いし舞台がすごく横広いうえ花道もあるので、
全体を見るというのは結構厳しい。
前の人の頭とかですぐアウトなうえ、着物の人(わりといる)が浅く腰掛けてても見えないしで、
わりかし大変。
そんな歌舞伎座で、今日はすごい人を見た。
多分アジア系外国人(連れは白人系外国人)、で、すごい高く髪を結い上げている。
デコから20センチはあった。昔塩沢トキってあんなだったっけ?
休憩時間に全身を見たら、真っ赤なミニワンピ?の体はとても小柄。
なぜあんな髪を?メイクもテンコー並みで(たぶんトシも)、外国人て理解できない・・・
ともかくカノジョのうしろでなくてよかった、あれじゃ見えないよ。

さて、内容に入ります。
友人も私も孝夫時代からの仁左衛門ファン、しかし夜の部の出番は襲名披露のやつだけなので、
ほんの少し。(口上があったのはよかったけど)
多分、昼の部の熊谷直実の方がめいっぱい堪能できるんだろう。
しかし、他の人のでよく見るんだけど、あの話はなんか辛くてなあ。直実のメイクも強め(武士ですから)だし。ちょっとだけど衣装も舞台も優雅で綺麗だったから、いいや夜のやつで。
夜の部は4作品だったのですが、明るめなのはこの「鞍馬山誉鷹」だけ。
このちっちゃい子がおっきくなったころにまだ歌舞伎見てたら、あの子がねえ、なんて
通の人みたくいえるようになるんだよねえ、とかいったら、そんなのすぐだよと友人。
そもそも、既にそういう子(って言っていいのか?七之助とか)いるじゃん、と。
たしかに。そしてその分トシをとったのだわ・・・いかんいかん、また内容からそれてる。
順番に、まず、「日向嶋景清」。
ぎりぎりに着いたので、筋書きを買わずみていた、が結構内容って判るものですね。
表現がナンですけど。
日向(宮崎)は西の果て、日本のはずれと酷い言われよう。
島に流されててヨレヨレになってる老人、てことで、俊寛を最初思い出したが、
内容は全然違って、途中までの悲惨さを裏切るビミョウなハッピーエンド。
ビミョウ、といったのは、一途な忠義を娘のために曲げる決心をして終わるから。
こういう終わり方も、新鮮。
最後は立派な大船に乗った立派な装いの景清が、位牌と梅の花を海に捨てるのでした。
とにかくも、吉右衛門。それと、浄瑠璃の人、超大活躍だ!

「連獅子」は、最後にあたまぐるぐる、なのは一緒なのだが、
似た感じでいろいろバージョンがあって、多分今回のは初。
でもどれも蝶を追っていくんだよな、歌舞伎の獅子はぜったい猫だ。
途中で出てくる、宗派の違う二人の僧のかけあいは、ちょっと目新しくて面白い。
今回の獅子たちは親子で、やってるのも幸四郎親子。
この人たち、顔にてると思ってたんだけど・・・大きさ全然違う。世代の差?
歌舞伎としては、顔大きい方が表情アピール強くていいような気もする。
そういう仕様なのか、子獅子の方が、早くたくさんめに回してました。

「大経師昔暦」、やな話ね・・・と友人が耳打ち。
こういっちゃうとミもフタもないけど、別に恋仲でもないのに、
なんで手に手をとって駆け落ち逃避行(しかも最後にはつかまって処刑されるらしいし。姦通で)
する羽目にならなきゃならないんだか。
敵役が完全にお笑いキャラなのをはじめ、話がわかってても、セリフや動きはおかしめなので、
結構笑えるんだけど、でも、そういう話なんだと思うと、ううん・・・
近松人情話ネタのようですが。手違い始まりってあたりが、致命的に辛い。ううむ。
なお、史実とは変えてあるらしい。そっちは恋人同士だったのだろうか。

そして歌舞伎はながーいので、終わったら9時過ぎ。ほんと長丁場。
12月1月は仁左衛門出番なしのようなので、次はいつ行くかな・・・