セルセとはクセルクセスのことです。

今年の初オペラ。

「セルセ」
全3幕(イタリア語上演/字幕付)
1月14日 3:00開演 小劇場

<スタッフ>
作曲 : ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル 
原作・台本 : ニコロ・ミナート 
指揮 : 平井 秀明
演出 : 三浦 安浩
美術 : 鈴木 俊朗
衣裳 : 小野寺佐恵
照明 : 小山 和宏
振付 : 伊藤 範子
舞台監督 : 大澤 裕

合 唱 : 新国立小劇場合唱団
管弦楽 : 新国立小劇場アンサンブル

<キャスト>         
セルセ: 高野 二郎        
アルサメーネ: 羽山 晃生            
アマストレ: 山下 牧子            
ロミルダ: 山本 真由美      
アタランタ: 文屋 小百合   
アリオダーテ: 片山 将司     
エルヴィーロ: 小野 和彦 

ヘンデルからのメッセージを求めて、作品を分解し、咀嚼・再構築した21世紀版「セルセ」

バッハと並ぶバロックの巨匠ヘンデルによる人気のバロック・オペラ。甘い旋律で有名なアリア「オンブラ・マイ・フ」で始まります。紀元前5世紀、ペルシャを舞台にした喜劇的寓話が、意欲的な試みで毎回好評を博している小劇場シリーズならではの斬新な演出で現代に蘇ります。能舞台のように劇場中央に組み上げたステージで展開する物語は、神話と現実、虚構と現実の相関関係を超えて観客席と一体化し、私たちを21世紀の「セルセ」の世界へと誘います。

<ものがたり>
春。公園の一角で、花見客から募った出演者が演じる「セルセ」の映画撮影が始まる。
ペルシャ王セルセには婚約者アマストレがいるにもかかわらず、弟アルサメーネの恋人ロミルダに横恋慕し、王の権力によって我が物にしようとする。一方、ロミルダの妹アタランタはアルサメーネに思いを寄せている。それぞれが策を弄するが失敗に終わる。人々の心は傷つき、嵐が神殿を破壊し、王が世の平穏を願った木も幹を残して灰塵と化す。しかし、愛の力によって再生への一歩がもたらされ、朽ちた木が再び花をつける。
(以上、新国立劇場HPより)

演出がいろいろ変わっていて(オペラというよりミュージカルな感じ?)、
客席の方まで出演者が出張ってきます。
小劇場はもともととても小さいのですが、それをいつもとは違って、
まんなかに舞台、それを囲んで客席、という構成に変えてありました。
私の席は、たまたま最前列だったので、2幕の花売りがやってきたり、
セルセ旗(将軍の出てくるシーンに配られて、皆で振ってた、マラソンのときみたく)持たされたりと、
賑やかでした。(セルセ旗はあとで回収)

さて、曲自体はバロックで、いわゆるあんな感じ。有名な「オンブラ・マイ・フ」は、いきなり冒頭で出てくるので、どこでうたわれるのかしらん?という期待は最初からなし。内容はどたばたコメディで、これが演出の所為なのか、もとからこんななのかはよくわからない。
映画撮影設定、なのはシナリオやカチンコとかもって、カメラでうろうろしてたのでわかったけど、公園で花見シーズンなのはパンフ読むまで判らなかった。道理で浮浪者がいたり過度ないちゃいちゃカップルががいたりなのね。(でもそれなら花の一本くらいあってもよかったのでは?)
カントクはアマチュアなのか?よくわかんないけどアイーダのスタッフジャンパー着てジーンズで、いかにもいそうなかんじ。従者はイヌで、イヌ耳イヌ尻尾で(尻尾がよくできてた、どうやって振ってたのかな、ちょっとほしいかも・・)2幕では花売り娘(ちょっとメイド服系)に扮装と、これだけきくと結構な萌えネタになりそうですが、実際はそんなことはなく、漫画で描くのと現実の差ってこんなもんだよね、とまったく違うとこで納得。
指揮者がだめ手品を披露したり、女性歌手の生着替え?があったり、婚約者はセクシー衣装だったり。全般的にコントはいってるよな、いまどきオペラ歌手も漫才の素養が必要?なんて感じでしたが、新年最初に観るには軽いし楽しくてよかったです、休憩時間に聞こえてきた感想も、割と好意的なのが多かったし。

今年は出だしからゲルギエフの指輪に行けない(日程でだめ。。)とかオペラはちと不満ですが、このあといろいろ面白いのが観れるといいなあ。