土曜の午後のショスタコーヴィチ

読売日本交響楽団 芸劇マチネーシリーズ第77回

4月22日(土) 午後2時開演 東京芸術劇場
指揮:ルドルフ・バルシャイ
ショスタコーヴィチバルシャイ編曲):室内交響曲op.83a
ショスタコーヴィチ交響曲第5番

3月の定期が連休の帰省にかかったため、振り替えた公演。
もう新年度のシリーズですね、CD交換券(定期におまけでついてくる)もってくればよかった。

ショスターヴィチが割と人気なのだろうか?そうは思っていなかったが、
ホールはまあまあの埋まり具合、芸術劇場にしてはかなりといっていいくらい。
で、私の周囲は、ものすごくおやじばかり。近年ないくらいです。おやじウケがいいのか?
終始、ちょっぴり加齢臭(たぶん)を感じながらの鑑賞でした。

室内交響曲、これは初めて聴いたのが当のバルシャイのCDで、図書館で借りて聴いたのですが、
そんなに期待して借りたわけではなかったので、思いのほか良く、当時あまり知らなかったバルシャイの名前をそれで覚えたのでした、そのナマ演奏とは、感慨深いものが・・・
で、昔と感じ方が違うのもあるのでしょうが、思いのほかあっさりとした感じでした。
編曲前のもとネタは、弦楽器のみなんだけど、管の入りかたも絶妙で、整然とした美しいオーケストレーションが見事だと思います。ショスタコーヴィチのオーケストラ曲たちとちがって、ごくごく小さい編成ながら、管弦楽として十分に仕上げられたいい作品だし、演奏でした。

後半、メイン(と思う)の5番。これもやはり、整然と落ち着いた演奏でした。5番はさすがによく聴く機会があるけど、不安に包まれるどきどきした演奏、ではなかった。ゆっくりめ、に思えるテンポながら、その重みを淡々と受け止めつつ、重く冷たく、曲は進んでゆくのです。その冷ややかさはとても綺麗なものだけど、賛美すべきではない何かを含んでいて、ちょっとした息苦しさを感じさせられる。だからなのか、やはり最後は「歓喜」としては受け止められない、でも何となく諦めムードの美しさに包まれて、終わる。
曲が終わって拍手をするときに、いつも指揮者の手が全て下りて、指先が落ち着き、一呼吸置いてからするよう気をつけているのですが、なぜだか今回は下りた時点で拍手してしまった。他の人もそんなかんじではあったのですが・・・グワングわんとかどきまきとかしないので舐めていたが、思いのほか引き込まれまくっていたのかも知れません・・・

今週は同じバルシャイで、今度は定期のマーラー10番。こちらも楽しみ。