追補?編曲?バルシャイのマーラー

読売日本交響楽団 定期演奏会 第448回
4月27日(木) 午後7時開演 サントリーホール
指揮:ルドルフ・バルシャイ
マーラー(バルシャイ版):交響曲第10番

マーラーの10番は以前にも聴いたことがあったしCDも持ってるんだけど、
プログラムによると演奏時間が80分、
以前のは凄く短かった(少なくとも1時間なんてなかった)よなあ、とか思いつつ、
解説を読み進むと、今日のは追補版で5楽章構成(多分以前聴いたのは1楽章のみ)の追輔版。
追補版のなかでも最新と思われる2000年バルシャイ版を使用、とのことで、
実質初聴きの曲と思ったほうがよいみたい。

マーラーだけあって、ステージの上いっぱいいっぱいの大きな編成、
小ドラ(っていわないんだろうけど名前しらない)とか、見えなかったけどギターのような音がしたりと、多彩な楽器が楽しめます。
曲は、第一楽章(唯一聴いてる箇所)がアダージェットでもの悲しく始まるのだけど、
全般的にはなんだか前向き方向の明るさがあるというか・・・いつものマーラーによく感じる昇華感みたいなものがあって、追輔いいじゃん、と思いました。終始いかにもなマーラーらしい、というわけではないので、どこまでオリジナルでどこを補ったんだろうなあ、と考えながら聴いてました。先日のショスタコーヴィチの室内交響曲の感じからして、バルシャイというひとの編曲はかなりいいんじゃないかと思うのだけど(音楽教育受けてるわけじゃないのでえらそうなこといえないんですが)、多分にバルシャイ味というのが入っている感じなので、今日のもオリジナルねたで出来上がってたらまた違ってたのではないか、そっちも聞きたかったなあ。せめて、オリジナルに丁寧に(おとなしめに?)補筆したらしい、デリック・クック版でも聴いてみるか。

一番盛り上がったのは、やはりというか終楽章で、打楽器セクションのひとがひとり裏手に行っちゃった?と思ってたら、裏手から大きく重い太鼓の音が、どーん、どーんと響いてきて、迫力でした。読響あいかわらず管の響きは綺麗で安定してたので、安心して最後への盛り上がりに身を任せていられました。(なぜか最後のあたりで定期的?にうしろからページをめくるような音がきこえるようになって気になって仕方がなかったのが惜しかった・・・後でうしろを見たらがさがさ袋入りの箱を膝に乗っけてるおばあさんがいたので、あれだったのかなあ?)

弦と管が高くて細い音を鳴らすと、すごくマーラーを感じたんだけど、私にとってあれがマーラーっぽい音という認識なのだろうか?あまり自覚はなかったけど。あの音がなるたび、どきどきしました。

席数を考えると、芸術劇場より入ってなかったのかもだけどまあまあの入りだった観客は、今日もいい反応で、満足できたんではないでしょうか。席がぐっと近かったので良く見えたバルシャイさんの表情も、柔らかくて優しそうなおじいさんでした。今回はちゃんと、ぐっと待ちを入れてから拍手できたのでよかった・・・