フランクやっぱりいい!

N響 定期公演 Bプログラム 第1573回
6月14日(水)開演07:00 PM サントリーホール

指揮:準・メルクル
笙:宮田 まゆみ*
ピアノ:スティーヴン・コワセヴィチ (イングリット・ヘブラーより変更)

バッハ/アリア(岩城宏之氏に献奏)
武満 徹/セレモニアル -An Autumn Ode(1992)*
モーツァルト/ピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503
フランク/交響曲 ニ短調

急に部署のMTGの開始時間が遅くなったので、間に合わなそうだと席の振替しようとしたが、さすがに規定数終了とかでだめだった。そして、予想道理間に合わなかったので、当日演目に先立って献奏されたアリアは全く聴けず、武満のが始まった直後に到着。(これは外で聴いた)
セレモニアルは初聴。ホールに着いたとき、笙の音が響いていた(*ナマではないですけど)。笙にお正月感があるせいか何かよく判らないけど、蒸し暑い気候のことが一瞬すっかり頭からとんだ。涼しい。そよ風が吹くような涼しさではなく、儀式的冷たさみたいなものが、笙の音には感じられる気がする。そして妙に響く。不思議だ。でも残念ながら外だったので、あまりこの曲には触れません。
2曲目はモーツァルトソリストが代わったので曲目も26→25番に変更したらしい。コワセヴィチさんはかっこいいおじさんてかんじでしたが、曲はさすがモーツァルトで、途切れなく音が続く続くってかんじで・・・ずっとずっと弾き続ける、ころころとまろやかな音が・・・流れるというより転がり続けるように。後年のピアノ曲ほどの超絶技巧ではないんでしょうけど、指からんじゃうようみたいな気分にさせられるのは私はモーツァルトだけです。どきどきと緊張するせいか、眠気も来なかったよ。
自分的に今日のお目当ては後半のフランク。好きな曲だと思うのに、いつも曲もひとつのフレーズも思い出せない不思議な曲。でも曲が始まるとああ、これかとすぐわかるという・・・あまり、イメージするほかのフランス人作曲家の曲と似てない?からだろうか。
つくりは端正、というかとてもきっちりしてて、むしろドイツっぽい。曲調はときにアメリカを髣髴とさせる・・・トムとジェリー感(映画っぽい?)やジャズっぽい気配も感じるし。なんというか、前向きな力強さ。イメージなフランス(私の)の、流れる流されてく感や、見ててうわんな感情の大波はない、水っぽいとこがないのです。
あえて近いならサン・サーンスの3番は少し?と思ったら、解説に、影響受けたように書いてあった。
今日の演奏は、そのかっちりとした構造の曲をきちんとがっつり、力強く、意思強くやってたように思う。いつも演奏後つい忘れちゃってた主要なモチーフたちが、それとして凄く頭の中に入ってくる感じで、今までなまで聴いた中では、一番印象の強い演奏となりました。
多分冒頭にアリアが入ったせいで、N響にしては珍しく終演が9時を回っていたけど、このサントリーの定期にしては最近にないほどお客の反応も良かった、なんだかいびきかいて寝てるひとが多いし惰性なのかっぽい年輩会員も多そうなB定期ですが、盛り上がるときは盛り上がるもんなんだ、とちょっとびっくり。そういえば、ヘンなアラームを鳴らしたおじいさんはいたものの、今日はいびきの人はいなかったなあ。

アリアは聴きそびれましたが、岩城さんのご冥福をお祈りいたします。