ひさびさ都響、ひさびさ大野さん

都響スペシャル 大野和士×都響 「火の鳥
7月17日 (月) 15:00  サントリーホール

指揮:大野和士
ヴァイオリン:庄司紗矢香

モーツァルト交響曲第31番 ニ長調 「パリ」 K.297(300a)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
ストラヴィンスキーバレエ音楽火の鳥」 (オリジナル全曲版)

プログラムと指揮者とソリスト、でどれも惹かれてたものの、
連休と失念していて、公演日を両方平日だと思ってたので諦め半分だったのだが、
祭日と判ったので、もう当日券になっちゃうけど行くことにした。

行ったら雨になってるし、当日券出てないと書いてあるし、
うわ、と焦ったけど、招待券キャンセル分でなんとかなりました。

実はモーツァルトがあるって知らなくて、パンフ見て、あらーと思った。
しかも意外と長い、というか普通に。交響曲だしね。
今日のプログラムって、盛りだくさんだったのね。

とりあえず、モーツァルトはそんなもんかなというかんじで・・・
ハイドンみたいとか思ったり。パリの客に大うけだったと言う箇所もぼんやり聞いてたら聞き逃してしまった。
今日は大野さんや男性団員は、フツーに会社行くスーツ。夏だからか?でもダークスーツ。
ネクタイだけカラフル。(席の位置のせいか、ついステージの様子を熱心に見てしまう)
この曲は編成が小さいせいか、指揮台もなくて、全般に軽くてこじんまりした印象。

その後、庄司紗矢香ちゃん。
大きくなったなあ、なんて思うと、すっかり自分が年取った気分。
昔、「矢部君(都響コンマス)もしっかりしてきたわねえ」とおばさんたちが話してて、おお!とか思ってたけど、あんなこといえるようになるのかなあ。
ショスタコーヴィチなので、編成も一挙に拡大。
ところどころに、心臓どきどきさせられる。
カデンツァも凄かった。
しーんとして、緊張感みっちりのなかを、ソロ・ヴァイオリンの音だけが流れる。
切り裂くような、流れるような、たゆたうような、沈み込むような。
静謐な、芳醇な。
色んな色の、いろんな香りの音を、永い間、聴いた気がしました。
でも、なぜかずっと胸の苦しい、突かれるような気分も。
よくわからないけど、この人の演奏はやはり好きだと思う。それを引き立てていたオケの演奏も秀逸でした。

後半、火の鳥は大人になってあらためて好きになった曲。
全曲版なのでなお嬉しい。
ステージ横A席だったので、金管と打楽器が過剰なくらいガンガン来るが、それもまたよし。
ホルンのソロは、都響なだけに(すみません、むかしやられてトラウマに)どきどきでしたが、
うまいことこなして。
その他のソロの楽器もそれぞれいいかんじで。
さいごのテンポも私向きでした、よかった。
火の鳥が逃げて羽がばさばさ散る、でもきれいで不思議な羽がきらきらする。
魔物がうじゃうじゃいて瘴気にあてられる。
魔物が力尽きるまで踊りまくる。
やさしく不思議な音楽で眠りに包まれる。
そして最後の決戦と勝利。
全曲版なだけに、物語が強く伝わる感じ。
フィナーレは本当に大団円。

終演は17:30、やっぱりたっぷりめでした。
満腹です。