ノヴォ最後のGJ!新国「ばらの騎士」

新国ノヴォ時代最後は正確には「ばら」と被ったスケジュールでやってる「ファルスタッフ」なんだろうけど、私は行かないし、なによりばらはプレミエなので、シーズン最後はこっちにさせていただきました。(勝手で済みません)

ばらはナマでは人生2度目、その前に唯一観たのが、今となっては伝説な、あのクライバーウィーン国立歌劇場の94年の公演(われながらよくチケット取れたもんです)、大学時代から細々と20年ほど観続けてみたなかでも間違いなくベストを争う感動体験でした。
なので、それと比べるとかそういうのはそもそも考えていなかったけど、ちょっとどうかなあとは思ってはいた。でも、予想以上に良かったです。ほんとに。

2006/2007シーズン オペラ
ばらの騎士
[New Production]
R.シュトラウス/全3幕【ドイツ語上演/字幕付】

6月17日(日)14:00 オペラ劇場

スタッフ
【作曲】リヒャルト・シュトラウス
【台本】フーゴー・フォン・ホフマンスタール

【指揮】ペーター・シュナイダー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】磯野 睦
【舞台監督】大澤 裕

キャスト
【元帥夫人】カミッラ・ニールント
【オックス男爵】ペーター・ローゼ
【オクタヴィアン】エレナ・ツィトコーワ
【ファーニナル】ゲオルグ・ティッヒ
ゾフィー】オフェリア・サラ
【マリアンネ】田中 三佐代
【ヴァルツァッキ】高橋 淳
【アンニーナ】背戸 裕子
【警部】妻屋 秀和
【元帥夫人の執事】秋谷 直之
【ファーニナル家の執事】経種 廉彦
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】加茂下 稔
テノール歌手】水口 聡
【帽子屋】木下 周子
【動物商】青地 英幸
【レオポルド】三戸 大久

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団

<婚約のしるし「銀の薔薇」豪華絢爛なウィーンの煌めき。オペラの醍醐味これに極まる!>
美しく気高い元帥夫人と若い愛人との甘いアバンチュール、刻々と経過する時間と衰え行く美貌、やがて結ばれる若い二人への祝福・・・。ウィーンの上流社会における情事や駆け引き、微妙な心理を描いたこの傑作は、あらゆるオペラの中でも最も贅沢で美しく、甘美な憂愁に満ちています。各幕のワルツや、ばらの贈呈シーンの二重唱(第2幕)、女声三重唱「私が誓ったことは」など全編聴き所、見所満載です。

<ものがたり>
20世紀初頭のウィーン。元帥夫人は夫の留守中に若き愛人の伯爵オクタヴィアンと愛し合っている。オクタヴィアンは、好色なオックス男爵の婚約者で、新興貴族ファーニナルの娘ゾフィーに結納品として銀のばらを届けることになるが、若い二人は互いに一目惚れしてしまう。オックスはオクタヴィアンに決闘を申し込むが軽い負傷で大騒ぎ、さらに女装したオクタヴィアンからの偽りの恋文で騙され、結局ゾフィーとの婚約は破棄となる。元帥夫人も若い男女の恋を見抜いて祝福しながらその場を去る。

(以上新国立劇場HPより)

詳細はまた後でゆっくり書きます。
今回は席も結構良かった、が、隣の人が・・・で差し引き微妙でしたが。

てことで追加(6/19)
全般的にこれといった不満がないです。
舞台は、こないだのダンボールみたいなんじゃなくオーソドックスでわかりやすく(シャンデリアのついてる部分とかだけ天井があるのがなんかシュールでしたが)、廊下と室内のドラマが面白かった。自分は中央より右より席だったので、1,2幕の右廊下はよくみえたが3幕は左廊下で奥までは見えなかった、それでも見えてはいたので楽しめましたが、どっちかによってる席では全滅だったのかな?ってのはちょっと気になりました。衣装も、元帥家と成金家の使用人の衣装がすごい違ったり(成金家はなんか公務員チック)といろいろ興味深かった。
オケ。キレイだったし、良く音出てて、でもこれまたこないだみたく歌手の声が隠れるということはなかったしで、これも満足です。導入場面の色っぽさみたいなのはあまり感じなかったけど、あの例のワルツのおかしみと美しさにじんときました。ところどころでうっとりさせられたし、歌のおかげもあるけど、4時間退屈せず聴けました。(でも隣の人爆睡で帰っちゃってた、ひとそれぞれ・・・)
歌手、どのひとも良かったです、元帥夫人も品があり、オクタヴィアンはこんなに出ずっぱりだったっけというほど活躍、最後の3重唱~2重唱はバランスもよくどの声も良く響いてきて終幕にふさわしい出来でした。クライバーのときのように泣けちゃったりはさすがにないかなと思ってたけど、この最後に来てちょっときました。惜しむらくは、1幕のモノローグのとこ、その少し前あたりから、隣のご老人が・・・なんかヘンな変態のひとみたいにふーっふーっと変なにおいの息(加齢臭なのか?と悩んだ)をこちらに吹きかけながら、体を揺らしまくっていたのです・・・ふーっで声が聞こえないし息苦しいしで、ろくろく聴けなかった・・・1幕終わったとき前席のこれもおじいさんが振り向いて睨み、私の前のカップルも二人して睨んでいた(が、誰も何も口にはしなかったが)。皆台無しだと目で訴えていた、と思う・・・でもこの話をしたら母に、そのひと具合が悪かったんじゃないの?助けてあげるべきだったんじゃと諭された。たしかに最初少し思ったけど、長くなるにつれて怒りに支配された自分の心の狭さには反省・・・でもやっぱ悔しかったし苦しかったです。途中で練り香水を駆使して悪臭だけは逃れたが・・・(隣のおじいさんは2幕も最後の最後のほうでまた、だったので、長時間だと無理がきてたのかも。隣席の人が途中で帰っちゃったので、私はそっちの席にスライドしてその後は無事だったのですが)
まずい、話がそれてる。
今回キャストは容姿も嵌ってて、それもよかった。夫人も美人で豊満(1幕の胸が!)、ゾフィーは清楚、男爵はほんと間抜けな大男、で、オクタヴィアンは少年では可愛く女装姿も可愛く。いいですねー!
みためもやはり重要なファクターですね。
間抜けな男爵はいってることやってること、最後以外ほんといいとこなしで実際いたら虫唾ものですが、マイスタージンガーのベックちゃんみたいな間抜けな哀れさと、ちょっと見捨てきれないというかこのひとまだ更正の余地が。。。とか思わせちゃうようなとこもある、その辺うまいなあと思いました。あのワルツが好きといってほんとに嬉しそうに酷い歌詞を歌うし・・・でも、オクタヴィアンに「きれいな曲」といわれてまた嬉しそうなとことか、2幕の終わりに口ずさんで去ってくとこ(少しずれてる感じで)とか、いい感じでした。
人物造形としては、毎度ながら元帥夫人がなんてかっこいい・・・美しいし・・・ってとこですが、依然読んだのでは26歳とかってなってたような・・・すごい26歳ですね、といつもつい自分と引き比べてへこみます、26じゃなくて30くらいってのも見た気もしますがいずれにしろ・・・勿論歌もすばらしいです。
ともかくも最後の3重唱&2重唱とりわけ3重唱ですが、ほんとにほんとによかったので、今回の満足度はかなりまものです、このキャストでまた再演してくれないかな、これだったら自信もって友達誘えるしねー。(そして再演のときは今度は1幕のモノローグ&2重唱も堪能したいです)
てことで、ノヴォラツスキーさん、おつかれさま、ありがとう、でした。