オペラへの誘い

入社以来のおつきあいの先輩が、オペラに興味を示してきました。
これはびっくりです。
しかも「教養」とか「自分磨き」とかいう方向性は全くありません(キャラ的にあり得ないが)。
オペラみてみたい、クラシック聴きいきたい、歌舞伎いきたい、
といわれるときいつも、あーいう名目が付いててそれがやだったのだけど。
その方向になるのがいやで、誰もこっち方面に誘いはしなかったけど。
初めて、純粋に娯楽として興味を示してくれたのです、感激です。

きっかけは、許光俊の本を読んだからだそうです。
私も昔、新刊が出るたび読んでた。許光俊とか鈴木淳史とか。
高尚に持ち上げず、身近にすっぱりと書いてくれるとこがすきだったのだけど、
ヴァントさん来日阻止事件とか、フルネさん靴音退場事件(これは疑惑だけ?)とかあって、
ちょっとこの人の著作を読む気がなくなってしまってひさしかった。
でも、なるほどこうして裾野を広げてくれたりってのもあるのかと、思った。

いちばんやなのは、林真理子的なノリ・・・最近の趣味はオペラなんです、なんて入り込んでいきなり語り始め、メトロポリタンオペラの舞台で歌っちゃいました、なんてロト6か!?なにそのいなかのおばちゃんの見栄みたいなのは!
オペラがすきなんじゃなく、オペラというイベント(社交場?)&それに参加してるワタシ、が好きなんだろうけど。
見るだけで辛い。オペラファンってそういうものと思われるのも辛い。おかげで誤解されて、自分に投資してるのねなんて言われるし吐きそう。(たのむから・・・!)

しかしひとりでも理解者の増えることがこんなにも心を愉しくしてくれることだったとは。おお!

とりあえず、本でお勧めされてたという中で手持ちのやつを貸すことに。
お勧めはこんなかんじ↓

最初の五つのオペラ
 (1)「蝶々夫人」――遊び人に弄ばれた美少女
 (2)「椿姫」――運命を呪いながら死んでゆく美人娼婦
 (3)「カルメン」――ウブな男を誘惑した極悪女
 (4)「トリスタンとイゾルデ」――ドロドロネトネトのスーパー恋愛ドラマ
 (5)「ヴォツェック」――超陰々滅々悲劇

ステップアップの五つのオペラ
 (1)「オテロ」――名将も陰謀にはめられて滅ぶ
 (2)「セヴィリヤの理髪師」――知恵で女を奪う法
 (3)「フィガロの結婚」――知恵で悪代官に勝つ法
 (4)「ランメルモールのルチア」――ベルカント・オペラという危ない世界
 (5)「サロメ」――世紀末の大がかりなストリップ

初心者向けでヴォツェックってのは、しかしどうなんでしょ。