根津美術館・燕子花図(かきつばたず)

新創記念特別展 第5部
国宝燕子花図屏風 琳派コレクション一挙公開
2010年4月24日(土)~5月23日(日)
 
燕子花図
かきつばたず
  • 尾形光琳(おがたこうりん)筆
  • 江戸時代 18世紀
  • 紙本金地着色 6曲1双
  • (各)縦150.9cm 横338.8cm
総金地の六曲一双屏風に、濃淡の群青と緑青によって鮮烈に描きだされた燕子花の群生。その背後には『伊勢物語』第9段の東下り、燕子花の名所・八つ橋で詠じられた和歌がある。左右隻の対照も計算しつつ、リズミカルに配置された燕子花は、一部に型紙が反復して利用されるなど、一見、意匠性が際立つが、顔料の特性をいかした花弁のふっくらとした表現もみごとである。筆者の尾形光琳(1658〜1716)は京都の高級呉服商に生まれ、俵屋宗達に私淑した。本作品は、江戸時代のみならず、日本の絵画史全体を代表する作品といって過言ではない。
(ここまで根津美術館HPより)
 
根津には場所が便利なこともあり何度か行きましたが、有名なカキツバタは、公開期間と上手く合わないようで観たことありませんでした。そうこうするうちに、美術館じたいが改装(改築?)で休館に。
復活した今回このタイミングで行かねば、このまままた行けなさそうなので、雨は結構激しかったけど行ってきました。
雨だしどうだろう、なんて思っていたけれど、最終日ということもあってか大盛況でした。でも屏風がワイドサイズなので、結構離れても見える(というか、全景は離れないと見えない)し、皆貼りつかずに適度な距離から見ていたのでじっくり見れました。展示室中央に椅子があったので、そこに座ってかなり長い間花を見ていて、なんかここ、モネの睡蓮見てるとこみたいだなあ、なんて考えたりして。隣にあった絵の方が、かきつばたそのものの描写としてはよほど精緻なのですが、そういう問題ではないんだろうなあ。花たちの斜めな配置、色の濃淡、それらいろいろな要素が、2枚の屏風合わさって何とも言えぬうっとりした雰囲気を作りだしていて、部屋のなかの人々はそれに魅了されているといった具合でした。
 
改装した根津はとても整然としたつくりになっていて、以前はこんな展示でいいの?という疑問(重文らしいのに)を湧き起こさせてた青銅器も、綺麗にケースに収まっていました。
 
宝飾時計が廊下側?にいくつか飾ってあり、もしやこれが7億ぐらいで売れればいいやと思って出したら70億で売れたとかいう時計の仲間(売らずに残したやつ)?と思うと、つい見入ってしまいました・・・
 
鍋島の器もいっぱい持っているはず(以前はその展示を観に来たこともある)のですが、それはあまり出ていなかった。ところで、肥前と表記されていて、あれそうなんだ?と思ったけど、そういや肥前はほぼ佐賀ですね。肥後(熊本)の印象が強いので、肥・・・がついてると。(※後日友達と鍋島の色絵の話をしたとき、器の柄や色もすてきだけど、高台に書かれてる柄なんかがまたいいんだよね、という話になりました。展示の時は、その辺よく見えるようにしてほしいです、くれぐれも)
 
庭には茶店がNEZU CAFEというおしゃれめなのになってましたが、時間の関係で入れず。早足で庭をそぞろ歩きました。雨の中(庭に出るとき傘を貸してくれたけど)、高低差もある、相変わらずのうっそうとした庭ですが、あのうっそうぶりが残ってたのはほっとしました。季節の新緑が、雨にぬれて素晴らしくきれいでした。まあ私の足はずたずたのびしょびしょでしたが・・・そして、閉館のアナウンスであわてて戻るのに、道が結構面倒で間違えてる人が結構いたりして。
リアルかきつばたは、2週間ほど前に盛りと言っていてもうそのときはしまいかけだったのですが、ちょっとだけ残ってて、やはりきれいでした。でも、満開の時来ないとだめですね。反省。
 
本当は最後にまたゆっくり屏風見たかったけど、思ったより庭に時間食ってしまってタイムアウトでした。次またいつ見れるのかな。
売店はすごいかわいいものが溢れてて、みなさん買いまくりでした。おそろしい・・・有田焼の小皿なんかもあって、これまたかわいいという・・・他、小物入れとかいろいろ、私もいらんもん買っちゃいました、いろいろ。
 
次回はゆっくりいこうと思います。今回は慌ただしかったので。